“正義の女優”でもあった馬渕晴子さん 一本気で曲がったことが大嫌い――。テレビドラマや映画の母親役で活躍した馬渕晴子さんが3日午前9時51分、肺がんのため都内の病院で死去した。75歳だった。数多くの映画、ドラマに出演し温和なイメージの強い馬渕さんだったが、地上げ騒動に巻き込まれ、不動産業者相手に徹底抗戦するなど“正義の女優”でもあった。 女優の冨士真奈美(74)、故小林千登勢さん(享年66)とともに「NHK3人娘」と称された馬渕さん。清楚なイメージがある一方で、日本人女優で初となるヌードを披露したことでも知られている。晩年は母親役が多く、温和な印象を与えていたが、実際の性格は負けん気が強く、どちらかというと激しい性格だったという。馬渕晴子 馬渕晴子 「曲がったことが大嫌いで厳しい一面もあった。でもそれは正義感から来るもの。自分にも厳しく責任感が強い人だった」(テレビ局関係者)馬渕晴子 私生活では自宅マンションに対する地上げに徹底的に対抗し、不動産業者と戦ったことが有名だ。舞台となったのは東京・赤坂にある高級マンション。「馬渕さんは1969年にこのマンションを購入した。当時、ドラマで人気があったTBSによく出演していたので、馬渕さんはTBSのある赤坂に住居を構えた。そのマンションには多くの俳優が住んでいたそうです」(同)馬渕晴子 だが、購入から約15年が経過したころ、マンションの所有者に対して不動産業者の買い占め攻勢が始まった。執拗な嫌がらせがあり、困り果てた住民から馬渕さんは「協力してほしい」と頼まれたという。 「ところがその頼んできた人はさっさと引っ越してしまい、馬渕さんが住民グループのまとめ役に祭り上げられた。普通なら『話が違う』とまとめ役を降りても良さそうなものだが、責任感の強い馬渕さんは最後まで代表として戦い続けた。もっとも自分も不動産業者に怒り心頭だったようですけど」(同) 強引に追い出そうとする不動産業者と裁判でも徹底的に戦い続けた馬渕さんには、世間からも称賛の声が上がり、86年には「地上げ、底値買い」で「日本新語・流行語大賞」不快語追放応援賞を受賞したこともある。 そんな一本気な気質は演技にも垣間見えていたという。ある映画会社関係者は「晩年もいろいろな作品に出演している。そんなにセリフが多い役どころではないのですが、現場では温かくも厳しい目で若手俳優の演技を見つめていた。若手に演技を指導するということはあまり記憶にはないですが、ピリッとするというか、稀有な存在感を持っている感じはあった」と話した。馬渕晴子
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