《zak女の雄叫び お題は神様》私が五嶋みどりさんを神と崇めるワケ 島根に生まれ育った私は、10月といえば神在月。出雲風土記にも神話が伝えられ、神様を意識するなというほうが難しい、そんな土地柄で育ちました。親や先生が側にいなくても、神様、お天道様が見てるから、ズルはできない、なるべくよい行いをしよう。神様は、自らの心の迷いを外から眺めようとするときに必要な拠り所のような存在になっていました。 仕事にも拠り所を求めてしまいます。音楽取材を続けている私にとって1人の神様がいます。世界的なバイオリニストの五嶋みどりさんです。 「取材対象にひいきがあってはならないのでは」というお叱りも受けるかもしれません。知り合いの音楽評論家にも「神様と思ってあがめてしまうと、毎回感想は一緒になる。それだと、生のコンサートに行く意味がない」と指摘されたこともあります。 けれど私には、神様が同時代に生きている喜び、自分が信じているものを身近に感じ、何度もそれを確かめられる幸運があります。 みどりさんは楽譜に書かれた膨大な音符、休符一つ一つに意味を持たせる豊富なアイデア、それを的確に表現する高い技術を持って私た五嶋みどりちに音楽のすばらしさを伝えてくれます。 そうやって音楽という人の心を動かす手段を自由に操ることができながら、自己顕示欲とは無縁な様子も神がかっています。インタビュー中もみどりさんは「私が好きな作曲家は」といった話をあまりされません。「今取り組んでいる作曲家に没頭します」といった答え方をして、自分の執着、偏りを見せません。五嶋みどり 今月、東京・サントリーホールでは、6日から5日連続でみどりさんの演奏会やマスタークラスを行う「サントリーホール スペシャルステージ 2014 五嶋みどり」を開いています。五嶋みどり バッハから現代曲まで幅広いレパートリーを聴かせるほか、国連のピース・メッセンジャーでもあるみどりさんが熱心に取り組んでいる教育プログラムから派生して、特別支援学校の生徒たちとみどりさんが共演するステージも用意されます。 初日のマスタークラスで生徒に指導したみどりさんは、演奏表現について「どのアイデアが正解か正解でないか、答えはありません」と自由な発想を示しながら「そのアイデアをしっかり表現できるかどうかが重要」ときっぱり道筋を示しました。これは音楽表現に留まらないものの考え方ではないでしょうか。 ぶれそうな時、迷った時に支えになる存在、それが私の神様です。(音) ◇ なかなか島根の実家には帰れていない大阪在住。ただ、今、島根がきてます。錦織圭さん、典子さまと千家国麿さんのご結婚、そして神在月。 ◇ 【zak女の雄叫び】取材や日常…。女性記者21人が月ごとのキーワードで本音を綴るリレーコラムです。10月のお題は「神様」です。五嶋みどり
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