五嶋みどり「協奏曲の夕べ」 多彩なアイデアで弾きこなす ヴァイオリニスト五嶋みどりが5日間にわたってリサイタルやマスタークラスを催すサントリーホール・スペシャルステージの最終日、協奏曲五嶋みどりの夕べを聴いた。古典と近現代を組み合わせた考えられたプログラミングだ。 バッハ「ヴァイオリン協奏曲 BWV1052R」。ソロがオーケストラと似た弾き方をするため、快活な両端楽章はよくなじんで室内楽のような親密さがある一方、独奏部が立ってこない。中間楽章はテンポが重いが歌っていた。 五嶋みどり シュニトケ「ヴァイオリンと室内オーケストラのためのソナタ」になって、ソロが俄然(がぜん)輝きを増した。この多様式の作曲家の筆は、急速なパッセージや調子外れの舞曲をチェンバロで擬古典風に味付けしつつ、シークエンスをめまぐるしく駆け抜ける。五嶋も多彩なアイデアで対した。軽快な弓の飛ばしや、弓の根本を使ったがりっとした音、透き通ったフラジオレット(倍音奏法)からしなやかで力強い音の抜きに至るまで、どの所作も冷静かつ正確。技術的な難度が存在しないかのように完璧に弾きこなす姿には、優雅さすら漂う。優れた解釈が楽曲の精神を明らかにする好例だ。五嶋みどり しかしベルク「ヴァイオリン協奏曲」では、この生き生きとした表情に達しなかった。これは専ら指揮のヘルマン・ボイマーに責がある。ゆったりとしたテンポでソロに付けるだけで、独奏と管弦楽(新日本フィルハーモニー交響楽団)の絡ませ方や楽曲のドラマ性の演出という点でほぼ無策。これでは曲本来の濃厚な味わいはでてこない。 バッハ「ヴァイオリン協奏曲BWV1042」では、ソロが即興的な装飾で祝祭的な気分を醸し出した。10日。五嶋みどり
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